貝殻焼成カルシウム
貝殻焼成カルシウム
貝殻焼成カルシウムは、ホタテの貝殻を約800℃で焼いてできた多孔質の水酸化カルシウム主体の白いパウダーです。
通常の使用用途は、野菜の殺菌や食品添加物で、安全な成分です。
この貝殻焼成カルシウムは、強力な抗真菌作用や抗菌作用、一部のウイルスにも効果があります。
また貝殻焼成カルシウムは多孔質構造であり、臭い成分を数分で吸着・分解します。
貝殻焼成カルシウムの抗真菌作用
水分との相互作用: 酸化カルシウムは水分と反応し、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を生成する。
反応式: 酸化カルシウムと水分の反応は以下のように表される:
CaO+H2O→Ca(OH)2
水酸化カルシウムの強アルカリが、細胞質を加水分解することにより、耐性菌を作らず永続的に殺菌効果が現れ、細菌や真菌、あるいは一部のウイルスを死滅させる。
貝殻焼成カルシウムの消臭作用
1.物理的吸着作用
多孔質構造: 焼成により生じる微細な多孔質構造は、極めて大きな表面積を持つ。これにより、有機化合物や臭い分子(特にアンモニアや揮発性有機化合物など)を効率的に捕捉する。
吸着メカニズム: これらの分子は貝殻粉末の表面や孔の内部に物理的に固定される。この過程では、ファンデルワールス力(弱い分子間力)、静電力、または毛細管作用によって分子が表面に結合する。
2.化学的中和作用
塩基性反応: 酸化カルシウム(CaO)は強い塩基性を示す。この性質を利用して、酸性の臭い分子(特に短鎖脂肪酸)と反応し、それらを中和する。
反応式: 例えば、酢酸(CH3COOH)は酸化カルシウムと反応して酢酸カルシウム(CH3COO2Ca)を形成する。この化学反応は以下のように表される:
2CH3COOH+CaO→(CH3COO)₂ Ca+H2O
この反応により、酢酸の臭いが中和され、無臭の塩に変換される。
3.湿気との反応
水分との相互作用: 酸化カルシウムは水分とも反応し、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を生成する。この反応は湿気を含む環境で特に効果的である。
反応式: 酸化カルシウムと水分の反応は以下のように表される:
CaO+H2O→Ca(OH)2
この反応は、湿気を含んだ空気中の臭い分子の吸着を促進する。
アンモニアの吸着と中和
アンモニアとの反応: アンモニア(NH3)は汗に含まれる一般的な臭いの原因であり、酸化カルシウムはこれを効果的に吸着し、無臭のアンモニウム塩に変換する。
反応式: この反応は以下のように表される:
2NH3+CaO→Ca(NH3)₂+H2O
ここで生成されるアンモニウム塩は無臭であり、臭いの原因物質を効果的に除去する。
これらの反応は、貝殻焼成カルシウムが臭い物質を物理的および化学的に取り除く方法を示している。
これらの特性により、貝殻焼成カルシウムは優れた消臭効果を発揮する。