銀について
銀について
- 銀の抗菌作用は、以前は活性酸素説と酵素阻害説の2つが主流であったが、最近ではバクテリアDNA転写を阻害するとの報告がある。(*6)
- 銀イオンの抗菌効果はアリゾナ大学など種々の研究施設で実証されていて、細菌、真菌、ウイルスに対して数PPM程度の低濃度で効果がある事が報告されている。
- 銀イオンの抗菌作用に関しては高山ら(*7)のデータによると、抗菌作用は効果の高い順にAg=Hg > CU> Co=Ni > Pb > Fe=Al=Zn と報告されている。なお真菌に関してはNiが強いとされている。
- 銀イオン水の主な製法として、電気分解法と銀イオン成分を含む化学薬品を水に添加する薬剤法(例:硝酸銀)の2種が一般的であるが、後者の場合、イオン化率が非常に低くかつ安定性が悪く短時間で失活するため効果が弱かった。
- 今回用いた銀イオンは、(株)○○○が独自に開発した特殊な電気分解法により作成した高濃度の純粋な銀イオン水であり、非常に安定性が高く3年間放置してもほとんど失活しない事が報告されている。
- 銀は安全性の高い金属という意見が主流であるが、一方で銀ナノ粒子が生体内で発達神経毒素として作用する可能性を示唆する報告(*8)など、その危険性を指摘する意見もある。
- WHO の『Guidelines for drinking-water quality』では、銀 イオンによって飲料水の消毒を行うケースを想定し、飲料水中の銀濃度か100ppbであっても健康上の害はないとの見解が示されている。
表3.銀の緑膿菌とMRSAに対する殺菌時間確認試験報告書
某国立大学大学院 生命科学研究部 微生物学分野
銀殺菌の長所と短所
長所
- 現存する合成殺菌剤と比較すると、より広範囲の種類の細菌に対して抗菌効果を発揮する。
- 殺菌持続性(抗菌力、静菌力)が優れている。
- 耐性菌ができにくい。
- 微生物には毒性を示すが、人や動物にとっては安全性が極めて高い。
- 他の殺菌剤との併用により殺菌力が増強される。
短所
- 銀は塩素などのハロゲン系成分と結合してハロゲン化銀となると殺菌力が減少する。
- 一般的な合成殺菌剤よりも高価である。
引用文献
※ 6. Wenjuan Yang et al., Food storage material silver nanoparticles interfere with DNA replication fidelity and bind with DNA. Nanotechnology,20(8),[7p.](2009).
※ 7. 高山正彦 et al., Agents. J. Antibact. Antifung. Agents,24(8),561-567(1996).
※ 8.Environmental Health News, Jan. 21, 2010 Silver is a potent nerve cell toxican Synopsis by Heather Hamlin.